Google口コミ削除代理店・業者の選び方と知っておくべき点を解説
ネット誹謗中傷が起きると、権利侵害が明確でない表現、書き込みは、必ずしも弁護士でも削除できないケースがあります。その…[続きを読む]
非弁行為という言葉を聞いたことがありますか?
例えば、下記のようなことをテーマとした場合に非弁行為が話題になります。
特に、ネット誹謗中傷対策では、コンサル・業者が削除代行を行うことがありますが、これは非弁行為といって法律違反に当たり、注意が必要です。
本記事では、非弁行為とは何か?具体例やコンサル・業者に依頼するデメリット、注意点をわかりやすく解説致します。
目次
非弁行為とは、この弁護士法72条に違反して、弁護士以外の者が報酬を得る目的で法律事件に関する法律事務を取り扱うことを言います(刑罰が科されている以上、いうまでもなく犯罪行為です)。
弁護士法72条は、弁護士でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件その他の法律事件の法律事務を取り扱うことを業としてはならない。と書かれています。
つまり、弁護士法72条では、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件に関する法律事務を取り扱うことを禁止しています。
簡単に言えば、弁護士の資格がなければ報酬を得て法律上の問題を含む交渉などを行ってはならないということです。このように非弁行為が禁止されているのは、国民の公正円滑な法律生活を維持し、法律秩序を維持確立するためとされています。
ネット誹謗中傷対策業者の削除代行業務は違法です。罰則があります。
記事削除要請のためには、サイト管理者と交渉をして記事の削除を求める必要がありますが、このような示談などの法律業務について、報酬をもらって行うことができるのは弁護士のみです。
弁護士以外のものが代理人として報酬をもらって示談交渉をすることは、弁護士法という法律によって明確に禁じられている犯罪行為です。
このように、弁護士資格のない者が法律行為をすることを非弁行為と言いますが、非弁行為が行われた場合には、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金刑を科される可能性があります。
また、弁護士や弁護士法人がこれらの非弁業者に名前を貸すなどして、非弁活動を手助けすることも同様に禁じられています。
このように、ネット誹謗中傷対策業者は弁護士法違反の犯罪行為を行っている集団ですので、絶対に利用すべきではないのです。
特に法人が違法業者やコンサルを使って記事削除要請をしたとなると、企業イメージが大きく低下してしまいますし、手続き発注の担当者の責任も厳しく問われることになってしまいます。
こうなると、もともとの誹謗中傷記事によるイメージ低下よりも、より大きなイメージ低下、ネット炎上が起こり、被害が拡大します。
法人は、違法には手をつけずにコンプライアンス重視で解決を図りましょう。
法にのっとっても十分誹謗中傷は解決できますので、安いからといって安易にリスクを冒す必要はありません。
支払った費用が無駄になる可能性もあります。
非弁行為の業者に依頼をしても、弁護士のようにきちんと手続きを踏んで仕事をしてくれるとは限りません。
適当に処理されて、「弁護士の報告によると失敗した」などと言われて終わってしまうことも多いです。
失敗しても当初に支払った費用は返還されないので、その分が無駄になります。
債権の取り立て屋や、交通事故の示談屋の場合、実際に相手と電話や面会して交渉するため、証拠も多数残ります。それに比べて、ネット誹謗中傷対策業者の場合、ネット空間で行うため、証拠が残りにくく、メールや申請フォームベースで行うことが多いため、非弁行為に参入しやすいという特徴があります。
また、ネット誹謗中傷は、依頼人が精神的に追い詰められて冷静に判断できないケースが多いことや、技術的な要素も多くネット空間で起きているため詳細が分からないという特徴が多いため、依頼主の置かれた状況につけ込み、高額なサービスを設定して、誹謗中傷業者が非弁行為を行いやすい温床となっていると見られています。
一方、弁護士法72条の非弁行為の禁止の趣旨は、「2次トラブル・2次被害」のリスクを廃し、安全な法律サービスを国民が受けられるようにすることにあります。
非弁行為を行う誹謗中傷業者を利用することで、以下の2次被害が発生しているとの報告があります。
現在、ネット誹謗中傷での非弁行為による2次被害が急増しており、弁護士への相談が絶えません。
また、誤って依頼をしてしまった場合には業者に対して費用の返還請求をすることができます。誹謗中傷業者へ支払った費用返還請求を行ってくれる専門の弁護士事務所もありますので相談してください。(10年までさかのぼって費用返還請求できます。)
削除代行業者にひっかかって、削除依頼をすると費用をとられます。しかし、悪徳業者に支払った費用については、返還請求をすることができます。
このとき、記事削除が失敗した場合だけではなく、成功したケースでも費用の返還請求が可能です。
それは、悪徳業者に対する費用支払いが法律上の原因のない違法なものなので、業者の不当利得になるからです。
不当利得とは、法律上の原因なく(正当な理由なしに)、他人に損失を与えて自分が利益を得た場合の利得のことです。
よって、違法な記事削除代行業によって損失を受けた人は、利得を受けた受益者に対して不当利得の返還を請求することができます。
この権利のことを不当利得返還請求権と言います。
ネット誹謗中傷対策の非弁業者は、弁護士法違反の違法行為によって違法に依頼者から費用をとっているので、法律上の原因なく利得しています。
依頼者は、悪徳業者にだまされて費用を支払っているのですから、費用の支払い自体が損害になります。
そこで、非弁業者に支払った費用は、記事の削除が成功したか失敗したかにかかわらず、返還請求ができるのです。
ネット上の風評被害対策の業者は多いが、削除代行自体を非弁行為と認めた司法判断は初めてのものです。
サイトの通報用フォームを使って削除を依頼しただけで法律事務ではないと誹謗中傷会社は反論しましたが、法律業務にあたると認められませんでした。
原告の男性は2012~13年、東京都内の業者に自身を中傷する13件の書き込みの削除を依頼しました。
業者の要請で10件が削除され、男性は計約49万円を支払いましたが、一部削除されず、弁護士に相談したところ、非弁行為にあたると知り訴訟にいたりました。
今回は、ネット誹謗中傷対策の悪徳業者、非弁業者の手口と対処方法についてわかりやすく解説しました。
弁護士資格のないものが報酬を得て代理人となり、記事削除依頼の交渉などをすることは弁護士法違反となり、犯罪行為です。非弁業者を利用すると、利用した依頼者の社会的評価も下がり、損害が大きくなることが多いです。
非弁業者に支払った費用は、記事削除が成功しても失敗しても返還請求できます。非弁業者に対して不当利得返還請求する場合には、弁護士に相談してアドバイスをもらいましょう。
自分も被害に遭ったのではないかと心当たりがある方は、1度弁護士相談を受けてみると良いでしょう。